「臨機応変」が苦手なら

仕事や勉強などにおいて、きちんと計画を立てて取り組むのは大切なことです。しかし当然、計画通りにいかないときもあります。例えば、「今日中にこの作業を終わらせるつもりが、急な予定が入ってしまい、そちらを優先させなければならなくなった」といったように。

そのように想定外の出来事が起こったとき、その場その場で柔軟に対応するのが得意な人もいます。いわゆる「臨機応変な対応」が得意な人です。

一方、その「臨機応変」が苦手で、想定外の出来事に上手く対処できないという人も大勢いるかもしれません。「計画に従って行動するのは得意だけれど、トラブルが起こるとどうすれば良いかわからなくなる」という人は、決して少なくないように思います。

そして、臨機応変な対応が苦手な場合は、「臨機応変にできなければダメなのだ」と思い詰めないことが重要です。

苦手なことをあせって無理にやろうとすると、ますます失敗する場合も多いからです。それよりも、「臨機応変な対応は苦手だけれど、事前にしっかりと計画を立てることはできる」といったような「得意な部分」を活かしていく方が、心にゆとりを持たせるために重要だと考えられます。

大切なのは、苦手なことも含めて「自分の持ち味」として受け入れることではないでしょうか。当センターでは、その持ち味を調べるための検査等も実施しておりますので、お困りの際はお気軽にお電話下さいませ。

(なお、自閉症スペクトラム障害を持つ方は、臨機応変な対応が特に苦手であると指摘されています。しかし、「障害の診断が下るほどでなくとも、想定外のトラブルに強い不安を感じやすい」という方も少なくありません。ですので、「障害がある・ない」だけにとらわれないことが重要です)

※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。